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公認心理師とは?仕事内容や検定試験の内容、難易度や合格率、申込み方法は?

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この記事では、公認心理師と、公認心理師試験についてまとめています。公認心理師の仕事内容や活躍の場、公認心理師検定試験の内容について説明します。

公認心理師とは

公認心理師とは、2015年に成立した「公認心理師法」に基づく心理職としては唯一の国家資格です。

公認心理師の仕事内容は、大きく以下の4つが挙げられます。

  1. 心理に関する支援を要する者の心理状態を観察し、その結果を分析すること
  2. 心理に関する支援を要する者に対し、その心理に関する相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うこと
  3. 心理に関する支援を要する者の関係者に対し、その相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うこと
  4. 心の健康に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供を行うこと

公認心理師の活躍の場

公認心理師には様々な活躍の場があります。

教育分野

学校内の相談室(スクールカウンセラー)、大学の学生相談室、教育センターなど

保健医療分野

病院・診療所(精神科、心療内科等)、保健所、精神保健福祉センターなど

福祉分野

児童相談所、心身障害者福祉センター、女性相談センター、老人福祉施設、児童自立支援施設など

司法・矯正分野

家庭裁判所、少年鑑別所、少年院、保護観察所、刑務所など

労働・産業分野

企業内相談室、企業内健康管理センター、安全保健センター、ハローワークなど

公認心理師と臨床心理士との違いは?

公認心理師と混同されやすい資格として、臨床心理士があります。

公認心理師の業務内容は臨床心理士とほぼ同じですが、民間資格である臨床心理士と異なり公認心理師は国家資格です。

そのため、保健医療分野での医師や看護師との連携、教育分野での教師との連携がより対等な立場で行えるようになります。また、臨床心理士は専門のカリキュラムを備えた指定の大学院を卒業した人のみが受験資格を得ることができますが、公認心理師の場合は大学院に進まなかった場合にも、指定の科目を履修した上で2年間の実務経験を有している人にも特例で受験資格が与えられます。

さらに、臨床心理士には5年ごとの更新が必要ですが、公認心理師には更新制度がありません

これまでは臨床心理士が代表的な心理系の資格でしたが、今後は公認心理師が心理職の主たる資格になっていくという見通しもあります。このように今後様々な活躍が期待される公認心理師になるには、公認心理師検定試験に合格し、資格を取得する必要があります。

公認心理師検定試験とは 

公認心理師としての業務を行うために必要な知識及び技能の到達度を確認することを目的とした試験です。

試験形式

試験は全てマークシート式の選択問題です。試験は午前問題と午後問題に分けられており、受験者は両方受験します。

試験時間

午前問題、午後問題共に120分 ※弱視等受験者:160分、点字等受験者:180分

問題数、配点

2018年に行われた第1回試験では、

  • 午前問題:一般問題58問、事例問題19問
  • 午後問題:一般問題58問、事例問題19問
  • 配点:一般問題が1問1点、事例問題が1問3点

午前問題、午後問題共に77問ずつ出題され、合計得点は115点でした。午前問題と午後問題を合計すると計154問の230点満点のテストでした。

ただし、公認心理師試験が行われたのはこの1回のみであるため、これらの出題形式は今後変わることも考えられます。

合格点

第1回の試験では230点満点中138点(60%)以上で合格でした。

検定料

28,700円

試験範囲

公認心理師検定試験の試験範囲は、公認心理師試験出題基準(ブループリントを含む)に基づいています。

「ブループリント」(公認心理師試験設計表)は、公認心理師試験出題基準の各台項目を出題割合を示したものです。大きく分けると「公認心理士の職責」「関係行政論」「精神医学を含む医学」「心理的アセスメントと支援」「基礎心理学」などが試験内容に含まれます。

詳しい項目と出題割合は以下のとおりです。

  1. 公認心理士としての職責の自覚
  2. 問題解決能力と生涯学習
  3. 多職種連携・地域連携 …①~③合わせて約9%
  4. 心理学・臨床心理学の全体像 …約3%
  5. 心理学における研究 …約2%
  6. 心理学に関する実験 …約2%
  7. 知覚及び認知 …約2%
  8. 学習及び言語 …約2%
  9. 感情及び人格 …約2%
  10. 脳・神経の働き …約2%
  11. 社会及び集団に関する心理学 …約2%
  12. 発達 …約5%
  13. 障害者(児)の心理学 …約3%
  14. 心理状態の観察及び結果の分析 …約8%
  15. 心理に関する支援(相談、助言、指導その他の援助) …約6%
  16. 健康・医療に関する心理学 …約9%
  17. 福祉に関する心理学 …約9%
  18. 教育に関する心理学 …約9%
  19. 司法・犯罪に関する心理学 …約5%
  20. 産業・組織に関する心理学 …約5%
  21. 人体の構造と機能及び疾病 …約4%
  22. 精神疾患とその治療 …約5%
  23. 公認心理師に関係する制度 …約6%
  24. その他(心の健康教育に関する事項等) …約2%

受験資格

公認心理士の受験資格は、法律が施行された2017年9月15日時点で既に大学に入学しているか否かで受験資格の基準が異なります。法施行日にまだ大学に入学していない人は通常ルートで受験資格の取得が可能であり、既に大学に入学している人には経過措置ルートが設けられています。

通常ルート

①「大学における必要な科目」履修+「大学院における必要な科目」履修

大学および大学院で、心理学その他の公認心理師となるために必要な科目の単位を取得します。

②「大学における必要な科目」履修+実務経験

大学で心理学その他の公認心理師となるために必要な科目の単位を取得したのち、省令で定めるプログラムを設けた施設で2年以上勤務します。

①、②と同等以上の知識及び技能があると認定される者

たとえば公認心理士のカリキュラム要件を満たした専門学校を卒業した人や、海外の大学で心理学を学んだ人などがあてはまります。

経過措置ルート

法律が施行された2017年9月15日以前に心理学部・学科や大学院に入学している人や、既に心理職に就いている人には経過措置が設けられており、履修科目や勤務経験が条件を満たしていれば受験が可能です。

法施行日時点で大学院を修了、もしくは大学院に在学中の場合

大学院を修了している場合には、大学院で「経過措置対応科目」の単位をすべて取得していれば受験資格が与えられるため、確認が必要です。大学院に在学中の場合も、修了までに「経過措置対応科目」の単位をすべて取得すれば受験資格が与えられます。

条件を満たせない場合には、既に心理職に就いている場合には現任者ルート(経過措置ルートの「法施行日時点で心理職に就いている場合」)を検討します。心理職としての実務経験がない人は、心理系の学部・学科を卒業している場合には大学院に入って必要な科目を履修するか(通常ルートの①に該当)、認定された施設で実務経験を積みます(通常ルートの②に該当)。

法施行日時点で心理系の学部・学科を卒業、もしくは在学中の場合

大学を卒業していて「経過措置対応科目」の単位をすべて取得している場合には、大学院に入って必要な科目を履修するか(通常ルートの①に該当)、特定の施設で実務経験を積めば受験資格が与えられます。(ただし、この場合の実務経験の条件は現任者ルートとは異なるため注意が必要です)

大学に在学中の場合には、卒業までに「経過措置対応科目」の単位をすべて取得し、大学院に入って必要な科目を履修するか(通常ルートの①に該当)、特定の施設で実務経験を積めば受験資格が与えられます。(ただし、この場合の実務経験の条件は現任者ルート(経過措置ルートの「法施行日時点で心理職に就いている場合」)とは異なるため注意が必要です)

法施行日時点で心理職に就いている場合

法施行日から5年後の2022年9月までに特定の施設で心理職として5年以上の実務経験があると認められる場合、現任者講習会を修了することで受験資格が与えられます。

特定の施設は保健医療、福祉、教育、司法・犯罪、産業・労働の5つの分野の施設とされています。また、勤務形態は常勤・非常勤を問わず(ボランティアも可)日常的に週1日以上の勤務であった期間が実務期間として認められます。

現任者講習会は、日本心理研修センターおよび日本精神科病院協会が開催する30時間程度の講習会です。公認心理士の職責に関する事項や制度、知識など基本的な内容を学びます。受講料は70000円です。

試験スケジュール 

試験のスケジュールは以下のようになっています。

  • 「受験の手引き」発送開始:3月半ば
  • 受験申込期間:4月半ば~5月半ば
  • 受験票交付:7月半ば
  • 試験日:8月上旬
  • 合格発表:9月半ば

申し込み方法 

「受験の手引き」を請求し、同封されている申込書を使用して申し込みます。申し込む際には必ず「簡易書留」で郵送します。

「受験の手引き」は「一般財団法人 日本心理センターのホームページ」から請求することができます。

受験者数、合格者数、合格率

厚生労働省の「第1回公認心理師試験(平成30年9月9日実施分)合格発表について」によると、第1回の公認師検定試験の受験者数は35,020人、合格者数は27,876人、合格率は79.6%でした。

公認心理師検定試験の勉強方法

過去問

第1回の試験問題と正答は日本心理研修センターのホームページに掲載されているためダウンロードして印刷することができます。過去問を解き、自分の実力を測ったり、わからないところを明確にするために活用するとよいでしょう。

問題集

出題基準であるブループリントに対応した問題集は複数出版されているので、それらを活用するとよいでしょう。

また、現任者講習会で使用されるテキストも書店で購入することができます。これは試験を実施する日本心理研修センターオリジナルのテキストです。ただ、基礎心理学などの分野はカバーしていないため、他のテキストと合わせて利用することで合格を目指しましょう。

まとめ

心理に関連する唯一の国家資格である公認心理師には、活躍できる場所が多くあります。公認心理師に興味がわいた方、心理系の資格取得にチャレンジしてみたい方はぜひ、公認心理師の資格取得をめざしてみてはいかがでしょうか。

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