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行政書士の試験概要、難易度、倍率、仕事内容に関するまとめ

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この記事は行政書士資格に関心がある人に向けて、行政書士試験の概要・難易度・倍率・仕事内容などについてまとめています。

行政書士とは

行政書士とは、主に、官公署に提出する書類の作成とそれに関する相談業務を行う職種です。

総務省の行政書士制度に関するページでは、以下のように業務範囲が示されています。

(参照)http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/gyouseishoshi/index.html

  1. 官公署に提出する書類(電磁的記録を含む。以下同じ。)その他権利義務又は事実証明に関する書類を作成すること
  2. 官公署に提出する書類について、その提出の手続及び当該官公署に提出する許認可等に関して行われる聴聞又は弁明の機会の付与の手続その他の意見陳述のための手続において当該官公署に対してする行為(弁護士法第72条に規定する法律事件に関する法律事務に該当するものを除く)について代理すること
  3. 行政書士が作成した官公署に提出する書類に係る許認可等に関する行政庁に対する不服申立ての手続について代理し、及びその手続について官公署に提出する書類を作成すること
  4. 契約その他に関する書類を代理人として作成すること
  5. 行政書士が作成することができる書類の作成について相談に応ずること

※3の業務は、日本行政書士会連合会がその会則で定めるところにより実施する研修の課程を修了した行政書士(特定行政書士)に限り、行うことができます。

行政書士の業務領域は、非常に幅広く、代表的な相談内容を挙げるだけでも以下のように多岐にわたります

  • 相続
  • 遺言書作成
  • 契約書の作成
  • 日本国籍の取得
  • 自動車の登録手続き
  • 土地活用
  • 中小企業支援
  • 知的財産権の保護

弁護士や司法書士との違いは?

行政書士との違いが分かりづらい資格として、弁護士や司法書士などがあります。これらの資格は、業務領域がそれぞれ異なります。

先述したように、行政書士は、主に官公署に提出する書類の作成・代理業務を行う職種です。

それに対し、弁護士は法律に関するトラブル全般を扱い、司法書士は不動産登記や法人登記などの代理業務を行う職種です。

弁護士は、基本的に司法書士、行政書士の仕事を行うことができます。

また、司法書士や行政書士は、紛争となった場合に代理業務を行うことができなくなります。

行政書士の試験概要

行政書士になるためには、行政書士試験に合格する必要があります。

また、行政書士試験に合格するほか、以下の一定の資格を得たうえで行政書士会を経由して、日本行政書士会連合会の登録を受けることで行政書士になることが可能です。

  • 行政書士試験に合格した者
  • 弁護士となる資格を有する者
  • 弁理士となる資格を有する者
  • 公認会計士となる資格を有する者
  • 税理士となる資格を有する者
  • 国又は地方公共団体の公務員として行政事務を担当した期間及び特定独立行政法人又は特定地方独立行政法人の役員又は職員として行政事務に相当する事務を担当した期間が通算して20年以上(学校教育法による高等学校を卒業した者などにあっては17年以上)になる者

(参照)http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/gyouseishoshi/index.html

行政書士試験の概要

受験資格

年齢、学歴、国籍等に関係なく、どなたでも受験できます。

受験手数料

7,000円

受験申請受付期間

7月下旬~8月下旬

試験日および時間

例年11月第2日曜日13時~16時 2018年度は11月11日(日)13時~16時

試験科目および方法

行政書士の業務に関し必要な法令等(択一式及び記述式、出題数46題)

  • 5肢択一式:基礎法学2問(8点)、憲法5問(20点)、行政法19問(76点)、民法9問(36点)、商法・会社法5問(20点)
  • 多岐選択式:憲法1問(8点)、行政法2問(16点)
  • 記述式:行政法1問(20点)、民法2問(40点)

行政書士の業務に関連する一般知識等(択一式、出題数14題)

  • 5肢選択式:政治・経済・社会7問(28点)、情報通信・個人情報保護4問(16点)、文章理解3問(12点)

合格発表日

1月下旬に事務所の掲示板とホームページにて公開。2018年度の試験結果は、2019年1月30日(水)午前9時に公開

(参照)https://gyosei-shiken.or.jp/doc/guide/guide.html

行政書士試験の難易度は?合格率はどのくらい?

行政書士試験実施結果は、行政書士試験研究センターのホームページにて公開されています。資料によると、2018年度の試験結果は以下のようになっています。

2018年度行政書士試験実施結果の概要

実施概要

  • 受験申込者数 50,926人 前年度52,214人 対前年度1,288人減(2.5%減)
  • 受験者数 39,105人 前年度40,449人 対前年度1,344人減(3.3%減)
  • 男性 28,049人 前年度29,608人 対前年度1,559人減(5.3%減)
  • 女性 11,056人 前年度10,841人 対前年度215人減(2.0%増)
  • 受験率76.8%(前年度77.5%)

合格者の概要

  • 合格者数 4,968人 前年度6,360人 対前年度1,392人減(21.9%減)
  • 男性 3,661人 前年度4,958人 対前年度1,297人減(26.2%減)
  • 女性 1,307人 前年度1,402人 対前年度95人減(6.8%減)
  • 合格率 12.7%(男性:13.1% 女性:11.8%)
  • 合格者平均得点 197点(前年度200点)

上記の概要を表にまとめると以下の通りです。

  申込者数 受験者数 合格者数 合格率
男性 28,049 3,661 13.1%
女性 11,056 1,307 11.8%
合計 50,926 39,105 4,968 12.7%

また、合格基準点は以下のように定められています。

  • 行政書士の業務に関し必要な法令等科目の得点が、122点以上。
  • 行政書士の業務に関連する一般知識等科目の得点が、24点以上。
  • 行政書士試験全体の得点が、(300点満点中)180点以上。

行政書士試験の特徴は、合格基準点が決まっている絶対評価の試験であることです。

そのため、試験の難易度が合格率にそのまま反映されます。

過去の行政書士試験の合格率を見ると、10%を下回る場合も15%を超えている場合もあります。

合格率はあくまで目安として考え、合格基準を満たすための学習をする必要があります。

(参照)https://gyosei-shiken.or.jp/pdf/summary.pdf

行政書士になるにはどのくらいの勉強時間が必要?

資格予備校などによると、行政書士試験の勉強時間は500~800時間が目安とされています。

行政書士試験は、一般的に法律系国家資格の入門と言われることも多く、比較的短い勉強時間となっています。

1年で修了する場合、1日1.5~2時間程度の勉強時間です。

ただし、前提知識には人によって差があります。例えば、法学部出身(もしくは在学中)の方であれば、この数字よりも短い時間で学習を終わらせる方もいます。

500~800時間という数字はあくまで目安程度に考えておくとよいでしょう。

行政書士試験は独学で合格することが可能?

行政書士試験に限らず、あらゆる試験において独学での合格は可能です。

難関試験ではあるものの、弁護士(司法試験)や司法書士と比べた場合、難易度は低く、予備校に通わずに独学で合格する方も多いようです。

受験年齢に制限がなく、民間企業の会社員として働きながら勉強する受験者もいます。

2018年度の受験年齢層で最も多かったのは40歳代で26.9%でした。

(参照)https://gyosei-shiken.or.jp/pdf/attr.pdf

独学であれば、予備校に支払う費用を抑えることができ、自分のペースで学習を進めることもできます。

これらは、独学のメリットと言えるでしょう。

しかし、独学の方が予備校に通うよりも、結果的に効率が悪くなってしまう場合もあります。

特に法律の勉強に慣れていない方にとっては、法律は理解が難しく戸惑ってしまう方も多くいます。

予備校であれば、これらのデメリットはほぼ感じることなくスムーズに学習が進められ、結果的に勉強時間につながり効率が良いとも考えられます。

独学と予備校での学習とで、長所・短所を比較して自分に合った学習方法で勉強を進めることをおすすめします。

行政書士を取得するメリットは?

法律に関する知識を得ることが出来る

行政書士試験は上述したように、憲法、行政法、民法、商法など基本的な法律の知識を体系的に学習することが出来るので、法人の設立や行政の手続きがどのようにおこなわれるかを理解出来ます。

直接関連する業務に就くわけでなくとも、こうした社会の仕組みを把握しておくことはキャリアにとってプラスになりえます。

開業ができる

行政書士は、資格があれば即開業することができます。

また、多額の設備投資などは必要なく、パソコンとプリンターがあれば自宅で開業することもできます。参入が容易なため、競争も厳しく、実際には、行政書士事務所で数年経験を積んだあとに開業する方が多いようです。

就職・転職に有利

行政書士で得られる知識は、企業の法務部や総務部などの業務で活かすことができます。そのため、法務部や総務部での募集の場合、行政書士の資格を持っていると有利に扱われることもあります。

行政書士のキャリアは?

行政書士のキャリアプランには、大きく以下の3つのケースがあります。

個人事務所や行政書士法人で勤めるケース

自ら開業はせず、使用人行政書士として働くケースです。

また、行政書士としてではなく、「補助者」登録をして行政書士事務所で働くケースもあります。

特に開業する予定の方で、官公庁との付き合いや、報酬額の設定方法などの実務経験を得ることを目的に、補助者として働く方が多いようです。

一般企業に勤務するケース

個人事務所や行政書士法人ではない、一般企業に勤める方もいます。資格の領域を直接活かせる部門で働く場合もありますが、直接的には関係ない営業や企画、管理部門での勤務をされている方もいます。直接仕事に結びつけるわけではないケースです。

開業するケース

行政書士は、資格取得後すぐにでも開業することが可能です。

しかし実際のところ、司法書士のように資格取得後の研修などもないことから、事務所で経験を積んでから開業するケースがほとんどのようです。

自分の得意領域や開業後の依頼の獲得方法など、充分に熟慮してから開業することが望ましいと考えられます。

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